弊所においては、遺言公正証書の作成支援をいたします。
遺言書の作成にあたっては、財産の整理整頓が肝要です。
どのような財産が、幾らくらいあるのか。そして、誰に何を遺したいのか。
推定相続人が複数の場合において、揉めないことを重視するのか、
相続税額が少なくなるように遺したいのか、色々な考えがあると思います。
しかし、公正証書遺言も万能ではありません。
相続放棄や遺贈放棄もあり得ますし、財産の価値も上下し一定ではありません。
そのようなことから、誰に何を遺したいのかを一番に考えてはいかがでしょうか。
また、遺言の草案後、推定相続人の遺留分の侵害の恐れや相続税の申告の要否に
ついて検討してみましょう。
なお、作成支援に係る報酬は、Feeにおいてご確認下さい。
遺言書の種類
遺言には、普通の方式と特別の方式があります。
普通の方式による遺言の種類は、次のとおり三つです。
- 公正証書遺言
- 自筆証書遺言
- 秘密証書遺言
1の公正証書遺言は、証書を公証人に作成して貰います。
また、最低2名の証人が必要となります。
2の自筆証書遺言は、遺言者において作成するものです。
なお、法務局における保管制度を利用することができます。
3の秘密証書遺言は、遺言者において作成するものです。
公証人に封紙というものを作成して貰います。また、最低2名の証人が必要となります。
私には、郷里の公証人役場において書記として勤務した経験が約2年あります。
人口の少ない田舎の役場ということも理由の一つかも知れませんが、
その間、秘密証書遺言を作成した嘱託人はいらっしゃいませんでした。
遺言者の死後、自筆証書遺言(保管制度を利用した場合を除く。)と秘密証書遺言は、
裁判所の検認を受ける必要があります。
財産の整理と整頓
遺言の内容を検討するにあたり、財産の整理と整頓をする必要があります。
整理とは不要なものを捨てること、整頓とは適切に管理することです。
民法には「相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と規定されており、借入金などの負債も承継されます。
また、相続税の課税対象となる「みなし相続財産」(退職金や保険金)についても、
遺す財産に含めて考える必要があります。
なお、系譜、祭具及び墳墓の所有権は、相続財産には該当しませんが、考えておくべきです。
財産の例
- 土地・建物の所有権、借地権、借家権、占有権
- 金融資産口座(銀行、証券、金投資 FX、暗号資産など。)
- 生命保険、損害保険、個人年金などの各種の保険契約
- 貸金庫、私書箱、レンタル倉庫(トランクルーム)などの契約
- 自動車、自動二輪車
- 家具、家電、衣服などの家財
- 金・プラチナなどの貴金属、ダイヤモンドなどの宝石
- 書画骨董
- 葬儀の生前契約
- 電子マネー(Suica、PASMO、楽天Edy、PayPayなど。)
- 借入金、クレジットカード
- 非上場株式、少人数私募債
- 国外に所在する財産
価値の低い不動産は処分しておけば、相続登記の費用や事務負担、固定資産税の負担を0にすることができます。
また、銀行口座は一つ又は二つに、クレジットカードは一枚にすることにより、遺族の事務負担を減らすことができます。
遺言の内容の検討
誰に何を(幾ら)遺すのか、遺言の内容を検討します。
遺したい人は誰ですか? 全て推定相続人でしょうか? それ以外の人もいますか?
過去に贈与をしたことはありますか?
贈与した分も含めて、遺言の内容を検討しましょう。
そして、草案した遺言の内容を基に、推定相続人の遺留分侵害のおそれの有無、
相続税の申告の要否について検討します。
遺留分を侵害した場合は、遺留分侵害額請求をされる恐れがあります。
遺留分を侵害しそうかどうかの検討にあたっては、贈与を考慮する必要があります。
なお、遺留分の生前放棄の制度はありますが、推定相続人が応じるかどうかは不明です。
遺留分に配慮した遺言になっているか、確認しておきましょう。
また、一の不動産を複数人に遺す遺言は、後々問題が生じ易いです。
持分を買い取ってくれる業者もあるようですが、資産価値が低い不動産は対象にならず、
買い取り対象となっても価額が低くなるおそれがあります。
相続税の申告の要否の検討は、遺言書の作成において必須ではありません。
また、あくまで遺言作成時の試算になることから、相続開始時には改めて行う必要があります。
相続税の申告の要否を検討する場合は、贈与分を考慮する必要があります。
余談ですが、相続税の小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を受ける場合などは、
相続税の納付税額0であっても、相続税の申告が必要となります。
遺言執行者の指定又はその指定の委託
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するため、手続きを行う人です。
遺言において指定することができますが、指定しなくても構いません。
なお、遺言執行者には一人又は複数人の指定をすることができます。
遺言執行者に相続人を指定することもできます。
また、遺言執行者の指定を第三者に委託することもできます。
遺言執行者を指定しなかった場合、遺言執行者の死亡や辞任により就任しなかった場合は、相続開始後、相続人が裁判所に選任の申立てを行うことにより、選任して貰えます。
なお、遺言執行者が不要であると判断された場合は、選任して貰えません。
公正証書遺言の作成手数料等及び必要書類
作成手数料等
公正証書遺言は、作成手数料がかかります。これは、公証人に支払うものです。
また、弊所に作成支援をご依頼いただいた場合は、所定の報酬を頂戴いたします。
必要書類
公正証書遺言には、下記のとおり各種の証明書等が必要になります。
1.本人の確認資料
(例:印鑑登録証明書と実印、運転免許証又はマイナンバーカードと認印)
2.遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
3.受遺者(遺言者の財産の遺贈を受ける者)の住民票その他住所の記載のあるもの
※ 受遺者が法人(公益団体を除く。)の場合は、法人の登記事項証明書又は代表者の
資格証明書
4.固定資産税納税通知書又は固定資産評価証明書
(遺言者の財産に不動産が含まれている場合)
5.不動産の登記事項証明書(遺言において個々の不動産の特定をしない場合は不要)
6.預貯金等の通帳又はそのコピー等
7.証人の確認資料(例:運転免許証のコピー)
※ 推定相続人、受遺者及びそれぞれの配偶者、直系血族等の利害関係人、
未成年者は、証人になれません。
8.遺言執行者の特定資料(例:住民票、運転免許証のコピー)
※ 相続人又は受遺者が遺言執行者になる場合は不要
弊所が遺言書の作成を推奨する方
相続人が一人しかおらず、その方に全ての財産を遺したい方は、遺言書を作成する必要はないでしょう。
遺言書を作成する必要がない方であっても、相続手続きの事務負担を減らすという観点から財産の整理整頓をお考えになってはいかがでしょうか。
- 配偶者との間に子がいない方
- 相続人ではない方に財産を遺したい方
- 相続人同士が不仲である方
- 配偶者以外の相手との間に子がいる方
- 独身であり子がいない方
- 事実婚の方(内縁の妻又は夫がいる方)
- 不動産を所有しており、相続人が複数の方
- 相続人がいない方
- 成年後見が必要な相続人(障害や認知症により判断能力を欠く方)がいる方
- 相続させたくない相続人がいる方(遺留分については考慮する必要があります。)
- 相続させたくない負債がある方(相続人にとって、重要な情報です。)
- 会社経営者や個人事業主である方
- 相続人に行方不明者や生死不明者がいる方
遺言書の作成をお考えの方
公正証書遺言の作成をお考えの方は、Contactよりご相談ください。
公正証書遺言は、公証人に作成を依頼してから1か月半~2か月の期間がかかります。
途中、作成を保留にしたり、取りやめたりする方は珍しくありません。
どうぞ、お気軽にご相談ください。
なお、お電話によるご相談も受け付けております。
携帯080-2049-1529までご連絡ください。